第215回:ムリのない物流コストの削減

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第215回:ムリのない物流コストの削減

2009年4月16日

 物流改善を進めるにあたり、「過度な物流コストの削減は、どこかで大きな反動につながるリスクも存在する」ことを肝に銘じておきたい。

 コストダウンを実現したように思えても、実は見えない「裏コスト」が発生しているケースもある。たとえば、部品センターの人件費を節約するあまり人員を極端に減らせば、誤出荷などが多発するかもしれない。

 そうなれば、それに伴うコスト負担も増えることになる。コストダウンを行う場合には、それに伴うリスクも発生することを認識しておきたい。

 「このコストを削った場合、何か反動が出てこないだろうか」ということも十分に検討したうえで、物流コストの削減に着手する必要があるといえるだろう。

 また、「効率化を進めているはずなのに物流コストが肥大してしまった」というケースも少なくない。これはコスト削減の方策が部分最適に終わっているためと考えられる。物流コストの削減などを効果的に進めるには部分最適ではなく、全体最適の実現が必要になることも理解しておきたい。

 たとえば、輸送コストの大幅な削減を目指して生産ロットを大きくしても、その反動で保管コスト、在庫負担が大きくなってしまう可能性もある。

 それぞれの物品や流通チャネル構造の物流特性をふまえた物流コスト削減プランが必要になる。物流体系全体のバランスを考えながらコスト削減、物流改善を進めていく必要があるわけだ。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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