第214回:製造業と物流

連載トップへ

第214回:製造業と物流

2009年4月10日

 製造業の場合、物流システムを工場への素材・部品などのモノの流れ(調達物流)、工場内のモノの流れ(生産物流)、工場の出荷から物流センターなどを経由しての小売店までの流れ(販売物流)に分けて考え、そのうえでいかに戦略的に物流システムを構築していくかを考えていく必要がある。

 多くの製造業では生産向上や品質管理の維持などに重きが置かれてきたが、物流システムの効率化、コスト削減などは後手に回る傾向があった。また、調達物流や生産物流に対する取り組みに対する遅れも目についた。

 だが、近年のロジスティクスやSCM概念の急速な普及により、物流を効率的に行うことで生産や販売に対しても大きなプラスの相乗効果があることが広く理解されてきた。

 ところで工場の現場でできる物流改善というと調達物流、生産物流におけるコスト削減、効率化になるが、重要なことは「物流コストの削減は安易な思いつきだけでは実現できない」ことである。場当たり的な改善案をいくら試みても大きな成果は上がらない。さまざまな部署と連携し、物流システムを根本から刷新する必要があるケースも多い。

 たとえば生産、営業部門などの都合で、物流コストが肥大していることもある。それゆえ、「物流コストの削減は物流部のみの仕事」という考えは捨てなければならない。部門主義に陥っては合理的、体系的な物流コスト削減は実現できないのである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD