第213回:有価物と専ら物

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第213回:有価物と専ら物

2009年4月 3日

 廃棄物と相対する概念に「有価物」がある。廃棄物ではあるものの、例外的な扱い方をする「専ら物」という概念もある。この2つの概念を、静脈物流システムを構築したり、リサイクル事業などを進めるにあたって、理解する必要がある。

 有価物とは有価で売却できる物のことをいう。廃棄物と異なり有価物を扱う場合には廃棄物処理業の許可は不要である。ちなみに「何が廃棄物で何が有価物であるか」という判断は容易ではない。一見、不用品に見えても隠れた利用価値のある物もあるし、逆にまったく売れない新製品で廃棄するしか選択肢のない物もある。

 さらに、有価物でも市場価格が低いなどの理由で、お金を払って引き取ってもらう逆有償の場合もある。そこで環境省は物の性状、排出状況、取引価値の有無、占有者の意思などを総合的に判断して廃棄物か有価物かを決めるという方針を打ち出している。

 専ら物とは古紙、くず鉄、空きびん類、古繊維(専ら4品目)などで、「専ら再生利用の目的となる一般廃棄物と産業廃棄物」のことである。専ら物は廃棄物であって有価物ではない。

 ただし通常の廃棄物をリサイクル目的で取り扱う場合とは異なり、専ら物のみを再生利用の目的で取り扱う事業者(専ら業者)には廃棄物処理業の許可は必要ない。古物商の許可を取得していることが多い。
 
 ちなみに、リサイクルについては都道府県が認定する「再生事業者登録制度」があり、専ら業者が、登録することが可能である。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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