第212回:在庫数量の把握

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第212回:在庫数量の把握

2009年3月27日

 売れ残っている商品在庫は資産として扱われる都合上、損金に計上されない。逆に課税対象となる。したがって棚卸しをきちんと行い、在庫数量や利益を正確に把握しておかなければならない。決算書で在庫、すなわち資産が多いということは「利益が増加する」ということで、注意を要する。

 これは人間でいえば「太っているから体格がよくて健康そうに見える」というのに似ている。肥満が重大疾患の引き金となることに気がつかないようなものである。人間が太っていても健康でないように、在庫も過剰であれば経営を圧迫する。

 在庫が多ければ利益が多いように見えても、実際は「売上高は増えてないのに税負担だけが増加する」となる。過剰在庫は財務の健全化を考えるうえでも不適切なのである。

 在庫キャッシュフローの視点から考えても、過剰在庫は安価であっても早期に売却処分するか、それが不可能ならば廃棄するのがベストということになる。セールなどで安価であっても処分できればキャッシュが手元に入るわけで、キャッシュフローが好転する。売上高に組み込めることにもなるので節税対策も立てやすくなる。在庫をキャッシュに変えることで、対応策の選択肢も増えるというわけである。

 また、廃棄に関しては「どのような場合に廃棄を行うか」という原則をきちんと定める必要がある。アイテム数が必要以上に増えないようなかたちで、合理的に廃棄できる体制を構築する必要があるのだ。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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