第211回:世界のリサイクル工場中国

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第211回:世界のリサイクル工場中国

2009年3月20日

 米国ビッグスリーの経営危機問題、日本の自動車企業の相次ぐリストラ計画の発表など、自動車産業に暗雲が立ち込めている。 

 自動車業界は電気自動車の早急な拡大などに向けて、迅速な対応も求められつつあるし、先進国の若者などの「自動車離れ」も進んでいる。また、発展途上国、新興国などでは自動車の購入意欲は相変わらず旺盛であるが、廃自動車についての、より緻密な回収リサイクルシステムの構築が求められている。

 たとえば中国の自動車保有量は、この5年で1500万台以上増加しているが、廃自動車も今後、毎年200万台以上発生すると考えられている。中国では、廃自動車の回収率の向上なども視野に入れつつ、「中古車流通管理弁法」が施行され、中古車市場の充実、拡大が進められている。

 ちなみに中国では「電子信息産品汚染防治管理弁法」により、パソコン、携帯電話などのリサイクルも行われている。同法は、わが国の家電リサイクル法に該当すると考えられるが、日本やEUよりも規制範囲が狭い。

 家電部門全体の回収リサイクルシステムの構築を目標としつつも、まずは業界、消費者などのレベルが高く、法規制もしやすいパソコン業界などにターゲットを絞ったのだ。

 さらに「リサイクル工業団地」も建設され、廃モーター、廃電子電気製品、廃電線・ケーブルなどの国際リサイクルへの適正な対応を行える体制作りも進めている。動脈のみならず静脈部門でも、中国の国際的な重要性は高まっている。 


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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