第210回:迅速な在庫補充

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第210回:迅速な在庫補充

2009年3月13日

 ある商品が「どれくらい売れるか」という情報が毎日わかれば、小まめに在庫を補充したり、需要に対応することが可能となる。だが1か月単位など、まとめて情報が入ってくれば、在庫管理は大雑把になり、在庫リスクも高まる。

 一定期間の需要情報、販売情報がまとめて伝達されると、必要以上の在庫が小売店などに集まる。そこで川上の企業が直接、小売店などの在庫を管理できるようにする必要が出てくる。

 小売業ではなく、メーカーなどの納入側が店舗の在庫管理を行い、補充量を把握する方式が採用され始めている。売り上げデータ、在庫データ、特売データなどから需要予測を行うのである。在庫補充量は納入側が計算する。これによって店舗や物流センターの在庫水準を圧縮し、同時に欠品率を改善することが可能になる。

 もちろん、売れたものを売れただけ迅速に補充するのでは十分とはいえない。売れ行きの特性や季節変動、地域性、イベント効果、ブルウィップ効果などの分析なども織り込んだ綿密な需要予測システムを構築する必要もある。

 近年はアパレルなどでは「売り切れご免」の形をとり、リスクのある在庫補充を行わない企業も多い。ただしその場合、小売店の店頭などでは販売員が困惑するケースも見られるようである。「品切れの商品がいつ入ってくるのか」と顧客から問われても、店頭の判断では商品の補充がいつ行われるのか答えられないからである。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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