第204回:アパレルにおける国際物流の構築

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第204回:アパレルにおける国際物流の構築

2009年1月30日

 わが国のアパレル商品の90%は海外からの輸入品で、そのほとんどが中国からとなっている。アパレルメーカーの生産拠点が中国にシフトしていくことで、物流も「生産拠点の中国から消費地の日本へ」というチャートに当てはまるように再構築されている。

 中国から日本へのモノの流れをまとめると、まず、中国の国内工場でアパレル商品が生産される。その製品は中国国内の保税地区(物流園区)などにある物流センターに輸送・保管され、注文が入った段階で日本に送られる。あるいは迅速に行き先別に仕分け作業を行い、それからあらためて出荷するクロスドッキングで日本に向かうこともある。

 定番物やリードタイムが比較的長くても問題ない商品などは海運で、軽量、あるいは短リードタイムが要求されるものは空運で行われることになる。

 さらに、アパレル商品の生産拠点は沿海部から内陸部などにシフトする傾向にある。中国沿海部の人件費、地価などが高騰し、採算のとれる工場立地などを求めて、内陸に生産拠点が移転していく傾向にあるからだ。

 また、中国全般の人件費の上昇などが懸念され、「チャイナプラスワン」戦略をとる企業が増え、ベトナム、インドネアなどへの工場シフトも進んでいる。生産拠点は日本から遠ざかりつつあるわけだ。

 その結果、輸送距離、リードタイムが長くなり、アパレル商品の輸入に関しては、これまで以上に効率的でムダのない国際物流の構築が望まれるようになってきている。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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