第202回:ファストファッションとロジ

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第202回:ファストファッションとロジ

2009年1月 9日

 大都市圏を中心に、国際メガブランドとよ呼ばれるグローバルファッション企業の日本進出が相次いでいる。なかでも圧巻で記憶に新しいのは、08年9月に東京・銀座にオープンした北欧アパレルの大手、H&Mだった。オープン初日から長蛇の列が出来上がったが、生活者たちは熱心に自分の入店順番を待っていた。

 無論、オープン初日のみならず翌週になっても、激しい雨でも長蛇の列は解消しなかった。店内の商品は飛ぶように売れていったという。

 H&Mのほかにも多くの国際メガブランドが日本市場に進出している。また、米国ロサンゼルス拠点の婦人服・服飾雑貨主力の専門店チェーン「フォーエバー21」も09年に銀座、原宿、新宿、渋谷などに出店を計画しているという。国際メガブランドにとって、日本市場の目の肥えた消費者は絶好のターゲットといえるわけである。

 ちなみにサプライチェーン全体の情報共有を徹底し、最小限の在庫レベルで「売り切り御免」の迅速なロジスティクス戦略などを展開するファッション業界のビジネスモデルを、最近は「ファストファション」と呼んでいる。

 欧米のアパレル大手のベネトン、ギャップ、ザラ、H&Mなどがこの範疇に入る。日本企業ではユニクロ、しまむらなどもこのビジネスモデルにきわめて近い。ファッション業界におけるロジスティクスの重要性がますます高まる方向にあるともいえよう。


※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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