第199回:これからのまちづくりと物流

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第199回:これからのまちづくりと物流

2008年12月19日

 さまざまな業界の流通・物流の現況を概観、検証すると、多頻度小口化や時間指定、拠点集約化の推進などがキーワードとして浮かび上がる。

 そうした都市内物流の効率化に関する課題を解消しつつ、住みやすいまちづくりを実現する解決策として注目されるのがコンパクトシティ政策だ。コンパクトシティ政策は持続可能な都市の空間形態として提起され、欧州で推進されてきた都市政策モデルである。

 都市をコンパクト化することで大都市圏などのスプロール化現象の拡大を回避しつつ、多頻度小口やジャストインタイムの精度を向上させ、拠点集約や共同物流も、より効果的に実現できる。
 


 都市内物流における多くの課題を解決する土台が出来上がるわけである。トラック輸送などの負荷を最小限に抑え、輸送経路の適正化が容易で、環境にやさしいまちづくりと都市内物流の構築が可能になると考えられる。

 コンパクトシティ政策は都市の物流拠点を効率化し、物流インフラの合理的な配置を可能にすると同時に、トラック輸送などに起因する環境問題を解決する有効な対応策ともなる。政策によって物流拠点の整備、効率化は促進され、都市の物流システムも大きく改善されることになる。

 現在、わが国でも「日本版コンパクトシティ」によるまちづくりが、各地で進められている。今後はこの分野で、より一層の都市内物流の効率化をふまえてのコンパクトシティ導入の検証、実現が望まれる。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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