第196回:CO2排出量取引とカーボン・オフセット

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第196回:CO2排出量取引とカーボン・オフセット

2008年11月28日

 地球温暖化の防止策として、CO2排出量取引に多大な注目が集まっている。

 CO2排出量取引、あるいは排出権取引とは、「二酸化炭素(CO2)など地球温暖化の原因とされるガスを排出する権利を国家、あるいは企業間で売買などで取引をすること」である。

 ご存知のように、97年の京都議定書では「先進国全体の温暖ガスの全世界の排出量を90年の排出量の5%程度削減する」という目標が定められた。

 そして考え出されたのが「CO2排出取引」という概念である。目標を達成できない国が削減目標量をクリアした国から、足りない削減分を買い取るというシステムである。
 


 排出量取引との関係からカーボン・オフセットという概念にも注目が集まっている。カーボン・オフセットとは、「市民、企業、NGO/NPO、自治体、政府などが、自らの温室効果ガスの排出量を主体的に削減し、同時に削減が難しい場合には、その排出量を取引したり、プロジェクトなどにしたりすることにより埋め合わせること」である。

 物流事業者などでもカーボン・オフセットを戦略商品に組み込む動きが広まっている。たとえば、通信販売で商品を購入する際に利用すると、排出量のクレジットの一部を負担するかたちになる宅配便サービスは、その一例である。

 物流企業の環境戦略を、そのままカーボン・オフセット市場の需要のなかに組み込むことが可能というわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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