物流ウィークリーヘッドライン
神奈川大学の中田信哉教授の「小売業態の誕生と革新」(白桃書房)が刊行された。
本書は、「業態というもの」「流通機構と業態」「見たことのない小売業」「ヒット商品と業態発生」など、小売業の業態などに関するさまざまなトピックについて、企業進化論の視点を採り入れながらエッセイ風に解説している。
本書のまえがきでは「適応放散」という概念が説明されている。適応放散とは、たとえばアライグマ(アライグマ科)とタヌキ(イヌ科)など、全く異なる科(種類)の動物が、たまたま同じような環境下で同じような生活方法を採った場合、似た形になったことの結果をいう。ちなみに本書の本編では、「百貨店の適応拡散」について言及している。小売業の業態も動物の適応拡散に類似しているという、興味深い指摘である。
本書では、こうした企業進化論の視点からの小売業の業態を観察・分析を、わかりやすく興味の持てる形で展開。「突然変異なのかスーパーの登場」「コンビニエンス・ストアの分化」「SPAは失敗の進化か」や、「ウォルマートは恐竜か」「コンビニの誕生と中立進化」「棲み分けは救いなのか」「変化は起こり続けるもの」などのトピックも、そうした視点から論が進められている。
書名が示す通り、小売業のビジネスモデルや業態などについての解説書になるが、物流事業者などの他業界の方が読んでも参考になることが多い。本紙読者の方に一読をお薦めする。