第192回:在庫圧縮の戦略構築

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第192回:在庫圧縮の戦略構築

2008年10月31日

 在庫を可能な限り少なくするには、保管や輸送効率の高い形状、デザインを備えた製品を開発、生産することも重要である。保管しやすく、輸送しやすい商品ならば在庫も圧縮される。

 壊れやすく、入念な包装が必要な商品ならば、保管効率は悪化する。衝撃に強い商品や型崩れしにくい商品なら保管も簡単になる。

 在庫は金額で表すこともできるが、物流の現場では数量で管理されることが多い。心理的にも保管しやすい商品ならば在庫管理も行いやすくなるわけだ。
 


 こうした物流コストを考慮しての商品設計のことを「デザイン・フォー・ロジスティクス」という。さらに、短ライフサイクル化に見合う商品の設計・開発体制を整えることも重要だ。川上から広角的に在庫管理を見渡す必要がある。

 また、在庫管理を効率的に進めるには「カテゴリーマネジメント」も重要なキーワードとなる。カテゴリーマネジメントとは、小売業などが自社の店舗の品目体系を売り上げデータに基づいて戦略的に行うことだ。

 まず商品を大分類、中分類、小分類、単品ごとに整理し、各分類の売り上げ評価を行う。そして発注停止基準や見切り基準などを設け、死に筋商品を早めに発見するようにする。

 在庫管理の難しい新商品は「どのような基準で新商品を販売するか」をメーカーの広告戦略や需要予測などを参考に決定する。同時に商品の潜在需要を検証して品目ごとに販売目標を立てる。

 このように川下からも「過剰在庫ができにくいしくみ」を作る必要があるわけだ。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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