第19回:欧州化粧品業界の物流課題

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第19回:欧州化粧品業界の物流課題

2005年3月20日

 近年、欧州では消費者サイドから化粧品会社に対して、環境保全や健康志向に基づいて人体への安全性に目を向けさせようという動きが強まってきている。そしてEUの化粧品産業のホットテーマとして「期限表示」と「動物実験廃止」が浮上してきている。
 例えばEU域内で強い法的拘束力を持つ「化粧品に関する指令」の「消費者と製造の安全性に関する欧州化粧品産業ガイドライン」でも成分表示と動物実験廃止について、業界は適切な対応の道筋が示されている。


 EUはこれまでさまざまな分野で共通政策を推進してきた。その一環として、共通の化粧品規制政策を打ち出しているわけだ。
特に欧州におけるBSEの発生がこの流れを加速させた。欧州ではBSE騒動以降、消費者サイドの成分表示などに対する関心が極めて高くなってきている。
  BSE騒動で、欧州化粧品メーカーはコラーゲンなどの牛由来の成分を使った化粧品の成分の生産履歴、流通履歴、使用期限などの管理を求められることになった。
 欧州の消費者サイドからの要請が強くなり、使用成分、生産過程、製品の使用、容器の素材などが環境や人体にどのような影響を与えるかといった研究も必要となってきているのである。
 その対策として、欧州化粧品メーカー各社はトレーサビリティシステムの充実にも早急に着手しなければならなくなってきている。消費者に「いつ、どこで、だれがどのように生産し、どのような経路で流通し、販売されたのか」ということを明確に示す必要が出てきているのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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