第186回:流通業の行う「仕入れ」

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第186回:流通業の行う「仕入れ」

2008年9月19日

 流通は物流と商流の2つの流れから構成されている。物流とは物的流通の略であり、生産地から消費地までの一連のモノの流れを指す。他方、商流とは所有権の流れ、商取引の流れを指す。

 商流における概念の1つに「仕入れ」がある。仕入れとは、一般的に卸売業や小売業などの流通事業者が商品を販売することを目的に買い入れることを指す。

 メーカーなどが生産、製造を目的に原材料、資材、部品を買うことは、調達、購買などと呼ばれ、経営学などでは区別されている。
 


 流通業の行う仕入れには、買取仕入れ、委託仕入れ、消化仕入れなどがある。買取仕入れとは、買い手は商品を買い取ってしまう方法である。

 委託仕入れはメーカーなどの売り手が所有権を持ったまま、流通事業者が販売を行い、売れた時点で流通事業者が委託手数料を手にするという方式である。消

 化仕入れは買い手が委託仕入れで商品を店頭などに置き、売れた時点で、仕入れ、売り上げの計上を行う方式である。なお、委託仕入れと消化仕入れの中間的な方式として「返品条件付き買取仕入れ」という方式もある。いったん買取仕入れを行うが、商品があまった場合の返品も認めるというものである。

 たとえば量販店、専門店などでは買取仕入れが主流だが、買い取る代わりに大幅な値引きを要求するケースもある。他方、出版業界は委託販売のもとに返品が制度化している。

 また、日用雑貨品業界などでは買取仕入れが原則となっている。業界、業種ごとに商取引の形態は異なるわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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