第185回:世界経済と物流

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第185回:世界経済と物流

2008年9月12日

 サブプライム問題、穀物・原油価格の高騰、中国・四川大地震など、世界経済の主要問題は、いずれも現在の物流業界の動向に大きな影響を及ぼしている。世界経済の変遷を詳細に知ることが、物流業界の近未来を的確に知ることにもつながるわけである。

 サブプライム問題は国内外の不動産市場のみならず、物流不動産業界にも少なからずインパクトを及ぼし、原油価格の高騰は物流事業者に輸配送コスト増という問題をさらに深化させている。

 生活必需品のインフレも進むだろうし、穀物価格上昇でバイオディーゼル推進の流れがストップするリスクも懸念される。
 


 中国の大地震で日本企業は内陸販売網の構築、工場進出戦略などを見直す必要に迫られている。国内回帰の動きも出ており、物流システムの再構築も必須の状況にあるといえよう。

 経済のグローバル化で、物流の国際マーケットで果たす役割は、数年前とは比較にならないくらい重要になりつつある。また、従来は商社などが果たしてきた海外事情の分析、地域リサーチの領域にも、物流企業の活躍の余地が出ている。

 たとえば、中国内陸の道路事情、拠点戦略、空港・港湾インフラの状況、通関ノウハウについて最もよく知るのは、現地に進出している物流企業ということになる。

 物流企業の国際的な重要度が高まっているわけである。こうした流れの中で、英語、中国語などの語学に堪能で現地事情に詳しい国際性のある人材が、物流業界にも求められ始めているのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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