第184回:海外進出と5S

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第184回:海外進出と5S

2008年9月 5日

 トヨタ生産方式、トヨタ物流方式の「5S」、すなわち整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)をきちんと理解し、実行することは容易ではない。

 簡単に考えられることが多い概念だが、それをトヨタのレベルで完全に実行していくことができれば、一流の域に達しているといえよう。だが、5Sのような日本式経営に見られる典型的な概念を、海外でも実践することは難しいと聞く。

 そこで、たとえば海外では5Sの代わりに「2S」が、先だって導入されることもあるという。5Sすべてを理解するのに時間がかかる場合、とりあえず、その一部をまず理解してもらおうという考え方である。


 具体的にいうと2Sの場合、まず整理・整頓を徹底的に実践させようというのである。また5Sの躾を除き、4Sで紹介されることもある。

 実際、5Sに関する説明をトヨタ生産方式の関連書物だけで理解することは難しく、できればトヨタ生産方式の実践者、経験者のコンサル、指導を受けることが望ましい。

 またトヨタ生産方式のコンサルもトヨタ出身者、トヨタ関係のサプライヤー出身者、トヨタとは関係ないが独自研究・経験でトヨタ方式の理解を深めた者など、大きく3分類できるようだ。

 さらに近年は、海外の研究者などもトヨタ方式を詳細に分析した著書などを出版している。日本的な視点からだけではなく、国際的な視点からもトヨタ生産方式、トヨタ物流方式の利点を理解していくことが物流人にも求められるわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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