第183回:破壊的イノベーションと物流

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第183回:破壊的イノベーションと物流

2008年8月29日

 「経営の神様」といわれた経営評論家のピーター・ドラッカーは「物流とは最後の暗黒大陸である」という名言を残し、物流が21世紀で重要な役割を担うことを予言しているが、同時に「企業におけるイノベーション(技術や意識の革新)の重要性」を指摘したことでも知られている。

 さらに近年、ハーバード大学のクレイトン・クリステンセン教授の提唱する理論「破壊的イノベーション」が多大な注目を集めている。クリステンセン教授の理論は、ドラッカーのイノベーションをより深く考察した結果、誕生したきわめて斬新な考え方だ。
 


 同教授の主著『イノベーションのジレンマ』(翔泳社刊)によると、イノベーションには2種類ある。持続的イノベーションと破壊的イノベーションである。

 持続的イノベーションとは「企業がこれまでの技術やコンセプトなどを発展、昇華させていく技術や意識の革新など」のこと。従来の製品よりも優れた性能のものなどを開発して、競合他社に打ち勝つケースなどが該当する。

 これに対して、破壊的イノベーションとは「初期の機能は高くないが急速に市場に広まり、その市場を席巻する技術や意識の革新」など。

 物流業界に当てはめて考えてみると、たとえば3PL。当初は導入について荷主企業は「コスト安というメリットはあっても物流の質については低下するのではないか」という懸念もあった。だが、近年は周知の通り、多くの荷主企業が3PLを導入しているのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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