第182回:欧州の環境規制

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第182回:欧州の環境規制

2008年8月22日

 2007年6月1日に発効した欧州のREACH指令の対応に、多くの日本企業も追われ始めている。REACH(リーチ)とは登録、評価、認可、制限のそれぞれの英語アルファベットの最初の文字を並べたもの。世界中で流通している、5万ー10万種類以上といわれる化学物質のほとんど全部を対象としている。

 人類や環境に有害な影響を及ぼさないように、欧州化学品庁にきちんとした手順を踏んで登録、評価、認可を受け、許容できないリスクがあると認められた物質については製造、使用などの制限を受けることになる。
 


 欧州にはREACH指令に先立つかたちでリサイクルを目的とした環境配慮についての規定を定めた「WEEE(ウィー)指令」、カドミウム、六価クロム、鉛、水銀などを禁止物質に定めた「RoHs(ローズ)指令」があり、REACH指令とあわせた「環境規制指令3兄弟」が循環型社会構築へ向けての強力な推進力となると見込まれている。なお「指令」は欧州連合加盟各国に対して法的効力を持つ。

 ただし、物流部門への影響は避けられない。欧州の物流企業、荷主企業などは「強力な欧州環境指令の影響でこれまで以上にリサイクル、リユースの需要が増し、回収コスト負担がかかる」と見ている。「物流コストも1ー2%アップする」という見解もある。

 今後、欧州に拠点を置く企業は回収物流システムの充実を徹底させる必要性が出てきているわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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