第174回:我が国の物流の課題

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第174回:我が国の物流の課題

2008年6月27日

 自家物流を含めると40兆円以上の規模となっているわが国の物流市場は、その大半が中小企業だが、規制緩和やグローバル化など、さまざまな社会環境の変化に直面している。

 規制緩和により新規参入企業数は増え続けているが、国内輸送量は90年代以降、横ばいで市場のパイの拡大には限界も見られる。

 また中国との貿易が拡大し、物流の視点から見ると「東アジアの準国内化」という方向が見えてきている。日本国内のみではなく、東アジアワイドでの物流ネットワークの構築も、日本企業の課題となってきている。

 それにあわせてスーパー中枢港湾、高速幹線の整備、成田、羽田の整備、トラックターミナルなどの整備も今後、より一層進められていく必要がある。
 


 都市物流対策も重要な課題である。物流インフラをこれまで以上に情報システムなどのソフト面から、サポートする必要もある。

 保管型から流通型への変化に対応した最新型の物流センターと、そこに従事する労働力の確保も重要な課題であるし、物流に従事する優秀な人材をいかに確保していくかということについても、さらなる検証が望まれる。そのためには物流業界全体のイメージアップをより一層、進める必要もある。

 「いかに社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応していくか」を、これまで以上に広角的に、深く議論しなければならないわけである。

 無論、部分最適ではなく全体最適を目指し、巨視的な視点からの課題解決を図る姿勢も不可欠である。物流業界の理想の未来図を業界が一丸となって築き上げていく必要があるといえよう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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