第173回:中東欧の物流

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第173回:中東欧の物流

2008年6月20日

 欧州統合の東方拡大により、生産拠点として中東欧諸国の重要性が増している。

 なかでも存在感を増しているのが、トヨタなどの進出で自動車産業の集積地となっているチェコと、家電関係が強いポーランドである。西欧企業のみならず日本企業も相次いで進出している。

 また、欧州の物流の軸も東に移動しつつある。東方拡大でモノの流れが自由になり、東西欧州の国境での通関待ちのトラックの行列が消滅。東欧は生産拠点であると同時に、物流拠点としても注目を集め始めている。

 西欧は欧州統合の流れの中で各国レベルの物流拠点を集約し、欧州統一レベルでの物流センターを相次いで建設、運営している。


 そして、その拠点となるのはベルギーやオランダなどであったわけだが、ここにきて地価や労働力が安く、技術水準が高い東欧に生産拠点が移転してきたことに伴い、物流拠点もシフトし始めているわけである。

 ただし、東欧の物流にはインフラが脆弱という課題がある。「高速道路網が十分に出来上がっていない」、あるいは「物流施設が旧式」「環境対応の物流システムが構築できない」などの課題が山積しているのである。また物流人材教育やロジスティクス理論武装の点でも問題は多い。

 それでも東欧諸国はEUの補助金なども得て、物流インフラの整備にも力を入れている。

 さらにいえば欧米系の物流企業は東欧起点の物流ソリューションを新たなビジネスモデルに加える動きを見せているし、物流不動産企業なども最新式の物流施設の建設に力を入れ始めている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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