第171回:ネット物流の進化

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第171回:ネット物流の進化

2008年6月 6日

 インターネットモール大手の「楽天市場」を運営する楽天は、創業からわずか10年で飛躍的な成長を遂げた。

 楽天市場は多くの出店で活況を呈している。ITの専門知識がなくても、だれでも出店できるシステムが組まれているというのも成功の大きな理由となっている。ちなみに、そのアプリケーション・システムのほとんどは自社で開発されたということだ。

 また「楽天ヨーロッパ」をルクセンブルグに設立。欧州でも本格的に事業を展開している。ルクセンブルクに注目したのは、高度な通信網と物流網をあわせ持つということにあった。

 欧州のほぼ中心にあり、どこからでもアクセスがよく、多言語で優秀な人材を確保できる。日本と同じようにオンラインで出店会員を募っている。
 


 インターネットモールは楽天市場だけに限らない。「Yahoo! ショッピング」「ビッダーズ」なども集客力を高めている。

 ただし出店者サイドから考えると、受注が増えることで、商品・物流管理に関する事務作業も煩雑化することになる。

 たとえば、注文が少なければ伝票は手書きで十分に間に合う。しかし、注文が増えてくれば、いずれは伝票の手書きは負担になってくる。

 また手書きでは記入もれや誤記、それにともなう誤配送などのリスクも出てくる。できれば受注時の入力情報をもとに自動的に伝票作成を行いたいところだ。

 単に商品の受注業務を円滑化するだけでなく、物流や決済のプロセス管理をもカバーした情報システムが必要だ。ネットビジネスの進化にあわせて物流も進化していく必要があるのだ。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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