第169回:輸配送リードタイムの最適化

連載トップへ

第169回:輸配送リードタイムの最適化

2008年5月23日

 工場での一連のモノの流れをスムーズにすることもきわめて重要であるが、過度な多頻度納入が行われた場合、逆に物流効率が悪化することになる。運送コストがかさんだり、納入先の保管スペースが不足する事態が発生することもある。

 ジャストインタイム方式を実践するにあたっては積載率、保管効率、作業効率などについて十分に配慮しなければならない。

 過度な多頻度納入は一部の部門にプラスをもたらすかもしれない。だが全体にとってはマイナスになることが多い。「部分最適を実現することができても、全体最適の実現はできない」のだ。

 過度な多頻度納入の要因としては、たとえば発注アイテムごとに納期指定日が別々になっていたり、急な追加発注に追われたりするケースが考えられる。納入先に大型トラックが入る十分なスペースがないために、やむをえず多頻度小口納入になることもある。
 


 可能ならば仕入先ごとの一括納入や重複するような製品を減らし、アイテム数を削減できないか検討してみたいところである。

 また、仕入先側が生産計画の急な変更による追加発注などを極力減らしていくことでも、過度な多頻度納入は回避できる。タイムリーなリードタイムを実現するために共同配送センターの設置も有力な選択肢である。

 反対に、「納品遅れ」の発生もコスト高の要因となるので注意したい。納品遅れの主な理由としては、「輸配送ルートが的確でない」「貨物状況が把握できない」「トラック車両のアイドリング時間が長い」などが考えられる。

 輸送リードタイムの適正化を図ることが重要なのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD