第166回:「物流投資採算計算」とは

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第166回:「物流投資採算計算」とは

2008年5月 2日

 複数の物流拠点を集約することで、トータル物流コストの削減が可能になる。だが、実際に新しい物流センターを新設する場合などは「廃止される旧物流システムのトータル物流コストが、新物流システムのもとで、どれくらい削減されるか」といったことを、可能な限り正確にシミュレーションしておきたい。

 物流センターの新設、あるいは既存のセンターのコストパフォーマンス評価にあたっては、「物流投資採算計算」が用いられることになる。

 投資採算計算とは、「企業が有形、あるいは無形の固定資産への投資を行う際の購入費用と予想収益を比較計算すること」をいう。


 企業が物流センターなどを建設する際、「どれくらい建設コストや購入コストがかかり、将来はそのセンターを稼働させることで、物流面で採算がとれるかどうか」を判断する計算法である。プロジェクト計画の全期間にわたる損益が計算されるのである。

 物流センターのコストは、大きく設備コストと運営コストに分けることができる。設備コストには土地、建物、機械装置などが含まれる。

 採算計算では固定資産税や減価償却費、金利や火災保険料なども考慮しなければならない。運営コストとは労務費、運転費、雑経費などである。輸配送コストもトータル物流コストに組み込んでおく必要がある。

 こうして採算計算された、予想されるトータル物流コストと予想される売上高、利益を比較検討して、物流センターの新設や拠点集約の是非を検討するのである。

 また、近年は拠点集約などによる省エネ効果の検証も重要になってきている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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