第163回:在庫削減と顧客サービスの充実

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第163回:在庫削減と顧客サービスの充実

2008年4月11日

 「顧客サービスを充実するためには、商品の在庫を増やしておく必要がある」という営業サイドなどの声が、社内で幅を利かせることがある。

 確かに「あの商品がほしい」とか、「色違い、サイズ違いの商品はあるのか」など、消費者が店頭で販売員に聞くことはよくある。

 また、得意先回りをしている営業部員が「すぐにあの商品を持ってきてよ」と顧客から頼まれたときに、在庫切れになっていれば販売機会を逃すだけでなく、大変気まずい思いもすることだろう。修理部品や交換部品の在庫についても同じことが言える。
 


 顧客サービスを充実させるための主役は、小売店や営業部かも知れない。しかし、彼らが必要以上の在庫を抱えることは、店舗や営業所の在庫コストや輸送コストを圧迫する。

 さまざまな店舗や営業所が在庫を多量に、しかも分散させて抱えることは避けなければならないのである。

 そこで、物流センターなどに在庫を集約し、まとめて管理するようにする。在庫削減のために物流センターに「ロジスティクスの司令塔」として在庫管理の中枢機能を担わせるのだ。

 近年は物流センターではなく、店頭在庫を充実できる売れ行き好調な一部の巨大店舗などに在庫を集約するという選択肢も出てきている。必要ならば、中小規模の店舗などから引き合い、注文に応じて商品の店間輸送を行うのだ。
 
 物流センターや巨大店舗に在庫を集約すれば保管管理も容易で、コスト低減も可能になる。トータル在庫の大幅な削減も実現できる。在庫の一元管理を推進することで、タイムリーな顧客管理も可能となるわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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