第156回:在庫管理の徹底

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第156回:在庫管理の徹底

2008年2月22日

 現代消費市場では、商品の多様化や短サイクル化が進み、企業は過剰在庫を極めて抱えやすい状況にあるといえるが、現代物流において過剰在庫が持つデメリットは計り知れない。

 確かに在庫を持つということには、「欠品を防ぐ」「いざという時に必要な部品・資材・商品などを速やかに補充することができる」といったメリットがある半面、過剰な在庫を抱えることで「保管費用の増大」「必要以上の業務や設備投資が発生する」といったデメリットもある。

 そして、何よりもキャッシュフローや財務体質の悪化を招く懸念が強まるわけである。過剰在庫を抱えることでキャッシュフローは悪化すれば、企業経営におけるダメージは計り知れないわけである。

 それゆえ現代企業が健全な経営を行うためには適正在庫の実現を拒むボトルネック(制約条件)を作業工程や企業システムの中から見つけ出し、キャッシュフローの改善を実現しなければならないのである。
 


 そのための方策としては、たとえば作業プロセス全体の順番を変更したり、重複作業の防止を徹底し、さらには資材などの投入量やタイミングなどを再検討したりすることが考えられる。

 入出荷の実態を正確に把握することで、アイテムの絞り込みや改廃を進める必要もある。

 また、必要なモノを必要に応じて発注する不定期不定量発注法を導入することも効果的である。

 不定期不定量発注法とは適正在庫量を定め、それを下回ったときに需要量を見定めて原料・資材・部品・半製品・製品などを補充する方式である。在庫キャッシュフローの改善にも大きな効果が認められている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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