第155回:在庫キャッシュフロー

連載トップへ

第155回:在庫キャッシュフロー

2008年2月15日

 物流関係者の間で「在庫キャッシュフロー」という概念が注目を集めている。在庫適正化を推進する流れの中で、キャッシュフローの増大に貢献していくという考え方である。在庫とキャッシュフローの関係を把握することで、在庫管理の方向性が見えてくるという発想である。

 現代経営におけるキャッシュフローの位置付けはきわめて高い。会計基準を国際的に調和させる必要性が強まってきているためである。

 国際会計基準に準拠する方向での連結決算、時価会計などの導入と併せてキャッシュフロー計算書の重要性が格段に高まっているのである。同時にキャッシュフローは企業の経営実態を的確に表すといわれている。
 


 ここでいうキャッシュとは「企業活動で生じるお金」のことで、キャッシュフローといえば、そのキャッシュの流れを指す。他方、ロジスティクスやサプライチェーンマネジメントの基本セオリーで、無在庫オペレーションや在庫適正化がその中核に据えられ、在庫管理の持つ意味合いが、ますます重要になってきている。

 すなわちキャッシュフローと在庫管理は、現代経営における重要度では甲乙付けがたいほどの比重を持つキーワードとなっているのであるが、実はこの両者は密接な関係にある。 そしてその概念を端的に表しているのは「在庫キャッシュフロー」という概念である。

 在庫キャッシュフローとは「在庫収支におけるキャッシュフローの改善を行うこと」である。

 キャッシュフローは在庫の増減と密接な関係にある。キャッシュフローに注目していれば、在庫がどのような状態になっているかが容易に理解できるのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD