第15回:SCMはウィン・ウィンの関係

連載トップへ

第15回:SCMはウィン・ウィンの関係

2005年2月20日

 SCMでは複数企業間のパートナーシップが重視される。特定企業の「ひとり勝ち」は避けなければならない。
これまでは自社に有利な取引を画策することは当然のように行なわれてきた。また、下請け企業に厳しい条件での取引を迫るということも日常茶飯事だった。しかし、SCMの構築においては、こうしたこれまでの企業関係はプラスに働かない。というのは、SCMとは「原資材調達から販売までの企業間の情報・流通インフラ」だからである。


 例えるならば、SCMとは『高速道路』のようなものだ。
トラックが高速道路を走る状況をイメージしてみるといい。トラックが高速道路の入り口から目的地まで渋滞なく走行するのがベストだ。たとえ料金所の通過が大変スムーズでも、それだけでは不十分だ。途中が一部でも混雑していれば高速の流れは中断される。途中の道路がいかに立派でも、それだけでは不十分なのである。料金所で大渋滞を起こせば何にもならない。
 SCMという企業間インフラも同じである。1社のみが利益を追求してもSCMはうまく機能しないのである。
例えば小売業が自社の利益だけを極度に重視すれば、そのしわ寄せは他に出ることになる。
製造業や物流業が採算割れをするということにもなるかもしれない。
そしてそうなると、結局、巡り巡って小売業にも大きなマイナスが出る。
  だから供給連鎖全体を巨視的に見てもムリがでないようにSCMは構築されなければならない。こうしたサプライチェーン全体が恩恵を享受する企業関係のことを「ウィン・ウィンの関係」という。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD