第149回:物流におけるブルー・オーシャン戦略

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第149回:物流におけるブルー・オーシャン戦略

2007年12月28日

 「ブルー・オーシャン戦略」とは、フランスの名門ビジネススクールINSEADのチャン・キム教授とモボルニュ教授が提唱する最新の経営戦略である。

 ブルー・オーシャンを直訳すると「青い海」という意味だが、比喩的には「未開拓で将来性のある豊かな市場」を指す。

 両教授は、「激しい競争の繰り広げられている市場」を「レッド・オーシャン」(赤い海)と命名。「レッド・オーシャンの中で生き残ろうとすれば激しい価格競争などに巻き込まれ、経営体力を大きく疲弊させることになるだけだ」と考える。


 そして、「未開拓ではあるが将来性のある豊かな市場への進出を図れば、激しい市場競争に巻き込まれることなく、新市場でマーケットリーダーとしての地位を容易に確保できる」と唱えている。

 実際、近年の物流業界の動向を見ても、ブルー・オーシャン戦略を展開してきた企業が成長してきた。3PLビジネス、物流情報システム、物流不動産ビジネスなどで、マーケットリーダーとして活躍した諸企業はいずれもブルー・オーシャン戦略理論の視点から、その成功の要因を分析できるのだ。

 ただし、ブルー・オーシャン戦略を同一市場で永久に展開していくことはできない。ブルー・オーシャン戦略が続くのは十年程度らしい。というのは、ある一定の期間が経てば、追随企業が先行企業のビジネスモデルを研究し、市場参入してくるからである。

 そしてその結果、市場は成熟し、ブルー・オーシャンはレッド・オーシャンに移行していくのである。したがって物流業界においても、常に新たなビジネスモデルの創出が望まれるわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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