第140回:これからの食品物流センター

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第140回:これからの食品物流センター

2007年7月12日

 食品物流センターの基本的な機能が、ロジスティクスの高度化やSCMの普及などにより変化しつつある。その中でも重要なのが、常温管理も含めての温度帯別管理。緻密な温度帯別の管理体制の構築がロジスティクスの高度化と合わせて行われなければならないのである。

 例えば、標準的な食品物流センターの設計として、入荷口と出庫口を別々に取り、ドックシェルターを完備するなど、庫内温度管理を徹底する必要があることは、いうまでもないだろう。


 一貫した温度条件で物流システムを構築することが、これまで以上に重視される傾向にあるのだ。荷捌き場でも完全な温度管理が求められ、終業後の衛生管理も厳しく行わなければならない。最先端の殺菌、消臭設備の導入も不可欠である。

 庫内ではデジタルピッキングシステムを導入し、一時保管された商品について正確なピッキングを行い、ロジスティクスオペレーションの円滑化を促進。同時に冷蔵保管庫とピッキングルームとの境界には電動扉を設置し、温度変化を最小限に収めるなど、戦略的な保管を意識したオペレーションにも、十分かつ柔軟に対応可能な庫内設備を充実させることも重要である。

 とくに加工食品卸売業では規模にかかわらず、温度帯別の物流センター機能を事業の中核と位置付ける傾向が出てきている。また、食品の生産から消費までの全プロセスで予測される危害を分析して、重点的な管理が必要な場所を決めて、その危害を防止するシステムであるHACCP(危害分析・重要管理点)の導入や、グリーン物流へのさらなる対応も望まれることになる。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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