第14回:ウエアハウスの概念

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第14回:ウエアハウスの概念

2005年2月13日

 荷役のことを英語では「ウエアハウジング」という。倉庫を意味する「ウエアハウス」という言葉から派生した言い方だ。
さらに言うと、ウエアハウジングという英語には「全ての倉庫業務をバランスよく巨視的に捉えてのオペレーション展開」というニュアンスもある。
 日本では物流施設にはさまざまな名称がついている。たんに倉庫と呼ばれることもあるし、物流センター、広域流通センターなどと、その機能や規模に応じて別の呼び方が使われることもある。


 しかし欧米の物流業界は違う。伝統的な保管倉庫、流通倉庫から最先端のロジスティクス機能を持つ「フルフィルメントセンター」まで倉庫の全進化過程を総称してウエアハウスと呼んでいる。
 同時に「ウエアハウスマネジメント」という言葉の持つ意味も日本で考えられている以上に広くなる。ウエアハウスマネジメントとは、入荷検品、入庫棚入れ指示、在庫管理、ピッキング、出庫管理、梱包・出荷などの倉庫内の基本業務を情報システムで体系的に結びつけるだけではない。クロスドッキングやウエアハウスのビリングコスト管理、さらには倉庫内レイアウトや広域物流センターのロケーション戦略の立案などにも関連する概念である。例えば、米国やシンガポール、あるいはオランダの大学では倉庫内のレイアウトやロケーションについて、理論、実務の両面の授業がある。ウエアハウスマネジメントの充実を意識してのものである。
「ウエアハウスという言葉の中に物流のメーン機能を集約していく」ということが欧米物流の最新トレンドとなってきているのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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