第137回:ISMコードの概要

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第137回:ISMコードの概要

2007年6月21日

 ISMコードとは、IMO(国際海事機構)において採択された「インターナショナル・マネジメント・コード・フォー・ザ・セーフ・オペレーション・オブ・シップ・アンド・フォー・ポリューション・プリベンション」(国際安全管理コード)の略称である。2002年に改正されている。

 ISMコードは、1987年に発生した「ヘラルド・オブ・フリーエンタープライズ号転覆事故」をきっかけに、英国が中心となって制定された。一連の海難事故で船舶の安全運航や海洋汚染防止に焦点を定めての船舶管理が注目を集めたわけである。


 海難事故防止についてIMOは、船舶の設備や構造などについてハード面のさまざまな基準を設けてきた。

 だが、海難事故の約八割は人的要因といわれている。事故を未然に防ぐには安全運航を確実に行うための、しっかりした安全管理システムのマニュアルなどのソフト面の充実を図る必要があることが指摘されたわけである。この点を踏まえ、船舶運航安全管理システムの要としてISMコードが制定されたのだ。

 海難事故への一連の措置、対応について国際的な標準化作業を行い、マニュアル化することで危険状況での判断を迅速かつ正確に行えるようにサポートしていくためにISMコードは制定されたといえよう。

 同時にISMコードの制定により、国際海運における船舶管理義務についても国際的に共通の認識として明文化された。安全管理システムを構築し、船舶運航業務をこのシステムによって実施・維持することがISMコードによって推進されたわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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