第134回:アパレル業界の受注生産

連載トップへ

第134回:アパレル業界の受注生産

2007年5月24日

 BTO(ビルド・トゥ・オーダー=受注生産)というとパソコン部品などが有名だが、最近はアパレル業界でも、部分的とはいえ受注生産導入の動きが出てきている。

 ちなみにアパレル業界にかかる物流コストは4000億円程度が物流・流通経費と考えられている。


 アパレルの物流の特徴としては、取り扱う商品の種類と数がとてつもなく多く、季節波動が大きいということが挙げられる。流行の影響もきわめて強く受けやすい。

 したがって、単品管理を推進し、定番系商品と流行系商品の、それぞれの物流を体系的に構築する必要がある。また商品にトレンド性が高く天候にも左右されやすいことを考慮すると、消費者の嗜好で多品種・少量・短サイクルの生産と供給も不可欠となるのである。

 たとえば、スポーツウエアなどで小売店の店頭で消費者から注文を受け、それから生産を行うというシステムを構築するメーカーが出てきている。既製品ではなく、上下の色、スタイル、サイズは消費者が自由に選択するのである。組み合わせは数千通り以上となることもある。それらを個々に生産し、1か月程度の納期で届けるのである。

 ただし、納期に間に合わなかったり、色が間違っていたりすれば、大きなブランドイメージ低下にもつながる。したがってICタグなどを活用しての緻密な物流システムの構築が必要とされる。

 ICタグを小売店に届くまで装着し、流通の各段階での履歴追跡を可能にしたシステムを構築するメーカーも出てきた。注文通りに生産されているか、誤配送はないかなどを一括管理することが可能となっているのだ。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

関連書籍のご案内

GoogleAD