第129回:トレーサビリティの事例

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第129回:トレーサビリティの事例

2007年4月 1日

 トレーサビリティの目的は、生産・流通・加工・販売などの履歴を明らかにすることで、商品を購入した最終消費者に生じるさまざまなリスクを回避し、同時に商品に新たな付加価値を加え、差異化を図ることにある。

 トレーサビリティ導入の製造業、小売業、物流業の各事例を簡単に紹介すると、例えば、キユーピーでは、同社直轄の八工場で生産活動の標準化を行い、生産管理システム、事故未然防止システム、工程管理システムを並行的に展開。2001年に現場主導で開発したシステムを「QUTEC」(キューアイテック)と命名し、商標登録を行う。トレーサビリティのシステム開発を推進。同社グループ以外でも導入される。


 またイオンもトレーサビリティの導入に積極的である。農産物の生産者情報をインターネットや店頭で検索できるシステムを導入している。小売業の主要機能は商品を仕入れて販売するということである。したがって製造責任を負うことはない。

 しかしながら、販売段階におけるアクシデントについては責任を負わなければならない。小売業者の責任は「どのような商品を売るのか」ということにあるわけなのである。こうしたことを念頭に小売業者もトレーサビリティの充実に力を入れ、国産牛肉の産地、BSE検査証明書などの生産履歴を売り場で明示している。

 また、物流事業者によるトレーサビリティシステムとして、荷物の配達状況をインターネットを介して確認できるシステムなどが、すでに導入されている。事例としてはヤマト運輸が開発した「NEKOシステム」などが挙げられる。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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