第128回:物流トレーサビリティ

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第128回:物流トレーサビリティ

2007年4月 1日

  トレーサビリティ(追跡可能性)とは、ある物品や活動についての履歴とその使用状態、またはその位置を検索する能力ということである。消費者は商品の生産履歴・流通履歴がはっきりしていることで、安全面や健康面などのリスク管理が可能となり、商品を安心して購入することができるようになるわけである。


 そして近年、トレーサビリティの概念は、「商品トレーサビリティ」と「物流トレーサビリティ」に分けるという考え方も出てきている。どちらも人、時間、場所、品質などに関する必要な情報の履歴などの追跡を可能にするものであるが、トレーサビリティの扱う情報を商品情報と物流情報に分けて考えることで、ロジスティクスの高度化に必要なトレーサビリティの役割や機能も、より明確に見えてくるわけである。

 商品トレーサビリティとは、商品情報の追跡を可能にするもので、食品などの生産者名、加工者名、収穫日、入荷日、出荷日、製造日、生産地、加工場所、使用資材名、使用量、賞味期限などの情報伝達に関するものである。BSE(狂牛病)問題などで注目されているトレーサビリティとは主としてこの商品トレーサビリティを指す。

 これに対して、物流トレーサビリティでは、物流情報の追跡が行われる。商品だけではなく、物流プロセスの一連の流れに対する情報追跡の必要性が強くなっているのである。そして保管者名、荷役者名、入荷日、出荷日、入庫日、出庫日、保管場所、入荷先、出荷先、コンテナ番号、車両番号、保存状態、輸送状態などの情報の伝送が行われるのである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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