第123回:米国複合一貫輸送対応の都市計画

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第123回:米国複合一貫輸送対応の都市計画

2007年3月18日

 米国では大規模な都市スプロール(拡張)化を抑制するという視点から、自動車中心の人の流れ、モノの流れを鉄道輸送、航空輸送と有機的に組み合わせたモーダルシフト輸送にシフトしていく動きが強まっている。自動車に依存した結果、大規模な都市スプロール化が発生したことを考慮して、都市のコンパクト化が図られるようになってきたわけである。

 米国では「連邦補助道路法」により、道路建設費に対して90%の助成が行われてきた。その結果、高速道路網の整備が進み、大規模な都市スプロール化が見られた。


 そこで自動車に偏重した交通システムを改めるべく、モーダルシフト輸送の概念が導入されてきているわけである。都市スプロールによる物流インフラ及び物流サービス・コストの相対的な高さ、輸送コストやエネルギー効率の悪さ、事故や汚染の社会的コスト、空間効率の非効率さ、交通混雑などを回避する方策として、モーダルシフト輸送は有力視されることとなったわけである。

 例えば、米国コロラド州の州都デンバーは、トラック輸送に鉄道輸送などを組み合わせることで、排気ガスなどの排出量を抑えるモーダルシフト輸送の視点からの都市計画を推進していることで知られている。

 70年代に自動車の排気ガス公害問題などに苦しめられた同州は、トラック依存型の輸送システムから鉄道などの公共交通ネットワークを活用した、環境にやさしい輸送システムの構築と活用を、官庁や企業に促し、モーダルシフト輸送に対応した都市作りを推進した。

 これが「プリファード・プラン」と呼ばれる長期的な交通・物流計画である。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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