第120回:花王の販社制度に学ぶ

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第120回:花王の販社制度に学ぶ

2007年2月25日

 花王の販社制度
 多くの日用雑貨品メーカーは、卸売業を通して小売店と取引しているが、花王は販売会社(販社)制度を採用し、販社を通して製品を小売業に卸している。
 販社制度とは完全に、ある会社の系列化に置かれた中間業者のことで、当初から企業の百パーセント出資により設立されることもある。花王の事例はその典型的な例といえる。


 ちなみに、花王が構築した販社制度は自動車、家電、住宅などの業種では珍しくない。しかし、開放的な流通チャンネルを必要とする日用雑貨品、加工食品などの生活必需品、一般消費財を扱うメーカーとしてはきわめて珍しい。
 花王に最初に販社ができたのは、六六年のことで、それ以降には、花王と取引のある日用雑貨問屋同士が出資する形で全国に花王製品専門の販社が設立された。そして九二年には全国八地区による広域販社体制を整えている。
 しかし、販社が分散化していては、ドラッグストアや専門量販店、ホームセンターなどの躍進に象徴される、多様化する小売業態の動静に対応していけないと花王は考え始めた。そこで九九年、花王は販社の大統合を遂行し、日本全国で一社のみの販社「花王販売株式会社」を流通チャンネルの中核に据えることにしたのであった。
 日用雑貨品の場合、開放的な流通チャネルにより、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどでの取り扱いを増やすことが一般的だ。だが花王の場合、メーカーと小売業の間に卸売業が入ることで店頭情報などが伝わらなくなるリスクを避けるために、販社制度を導入している。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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