第113回:九州の自動車産業で新局面

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第113回:九州の自動車産業で新局面

2007年1月 7日

 九州における自動車生産は年間100万台に迫ろうとしている。すでに日産自動車の九州工場は操業30年の歴史を持つが、トヨタ自動車も福岡県苅田町にエンジン工場を新設している。トヨタが本拠地の愛知県以外にエンジン工場を作るのはこれが初めてのケースだ。

 中国の自動車関連企業も上海に近く、空港、港湾を利用してのアクセスが容易な北部九州を重要な物流拠点と位置付けているわけである。北部九州に自動車関連産業が集積し、東アジア規模での「国際自動車交流圏」が構築される動きが強まってきているのだ。


 産業構造の変化に対応しつつ物流施設の誘致を推進する九州の産業団地のひとつに「苅田臨空産業団地」がある。同産業団地は福岡県苅田町にある。苅田町は1944年に完成した苅田港とともに発展を続けた。日産自動車九州工場などの企業が進出している臨海工業地帯を抱えている。苅田港は食料、日用品、石炭などの輸入が多い。九州・山口の443港中8位の貨物取扱高を誇っている。

 加えて2006年には新北九州空港が同産業団地から3キロメートルという至近距離に完成する。北九州空港は苅田港から約3キロメートル沖合の人工島に建設の進む海上空港。陸側への航空機騒音の影響が少なく、将来的には24時間化も可能だ。同空港の完成で九州・東アジア間のスピーディーな輸送環境が実現される。

 また、同産業団地から2キロメートルの地点には東九州自動車道のインターチェンジが完成する。九州縦貫自動車道への合流も容易だ。九州各地や本州方面へのスムーズな輸送も可能になるわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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