第112回:イオンの躍進

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第112回:イオンの躍進

2006年12月31日

 イオンの歴史は、中堅スーパーの岡田屋が関西基盤のスーパー数社を合併し、「ジャスコ」を設立したことに始まる。これが現在の「イオン」の前身である。

 さらに地方のスーパーなどを傘下に組み込み、同時に独自の店舗も関西、中部地方を中心に出店した。「営業成績のいい店舗は拡大、充実し、不採算店舗は閉鎖する」という方針を徹底させるスクラップアンドビルド戦略を展開していった。


 イオンの流通経営戦略の軸となっているのは、大型ショッピングセンターの効果的な出店である。イオンは総合スーパーのてこ入れ策として、買い物客が回遊できるように専門店の連なるモールを増設し、次世代業態のスーパーセンター への転換を進めている。しかも、イオンの大型ショッピングセンターなどは系列の不動産開発会社が運営。店舗用地は定期借地を原則として証券化されている。「オフバランス」と呼ばれる手法がとられており、借入金や資産の必要以上の膨張が起こらないような工夫が施されている 。

 また、イオンは物流システムの効率化、高度化にも積極的だ。最新鋭の物流機器や情報システムの導入のみならず、3PL企業などとの連携で高度なロジスティクス手法を導入している。イオンは「戦略物流構想」を標榜し、EDLP(毎日低価格)を実現するために、自社専用の物流施設、物流拠点を増やしている。03年には京都府内に民間としては国内最大規模の物流センター「イオン関西ナショナル・ディストリビューション・センター」を建設。また、プライベートブランドの開発にも力を入れている。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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