第11回:SCMデバイド

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第11回:SCMデバイド

2005年1月23日

 SCMによる「必要な情報を共有して必要な時に必要なモノをムダ、ムリ、ムラなく供給する」という考え方はグローバル化の進む国際社会の中で常識となりつつある。物流畑以外のビジネスマンでもSCMの基本概念を十分に把握していなければ経済活動の流れが理解できなくなりつつある。


 例えば、SCMを全く知らない金融マンに需要予測の重要性や「能率化よりも効率化」といった話をしてもなかなか通じない。
セブン‐イレブンなどのコンビニが物流効率化を推進するために行なっている「ドミナント戦略」を理解できない証券マンも多い。
ここ数年、デジタルデバイド(ITに関する格差)という言葉がしきりに使われている。デジタルデバイドとはITに関するノウハウ、知識の格差が収入や昇進などに大きな影響をもたらすことを指す。例えば「パソコンを使える人と使えない人では情報収集力に大きな格差が生じる」といったようなことだ。
 そしてこの言葉をもじって最近は、「SCMデバイド」(SCM格差)という言葉も出てきている。あらゆる業界でSCM的な視野からモノが見られるかどうかでビジネスの成否に大差が生じるという考え方だ。
 SCMに関する適切な日本語の書籍がないということで日米のSCMデバイドはこの十年で大きく広がった。ただし、最近はSCMに関する日本語の入門書、解説書も増えてきている。そしてこれからはその入門書、解説書を読み込み、SCMをきちんと理解した人とそうでない人で、さまざまなビジネス分野で大きな差ェ生じる時代が来ることになるだろう。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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