第108回:物流不動産事業拡大の背景

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第108回:物流不動産事業拡大の背景

2006年12月 3日

 日本では倉庫業(営業倉庫業)は厳しい規制に守られ、倉庫業者の免許を取得することは容易ではなかった。港湾や地域的な業務規則、港湾荷役や労働者の権利保全などの特殊権益と、さまざまな規制が存在し、そのため新規参入は難しかった。倉庫業界は安定した業界といわれ、るがその半面、新しいビジネスモデルなどの出にくい環境にもあった。しかし、各種の制度改革により規制緩和が進むと状況は大きく変わってきた。

 厳格に区別されていた倉庫業と不動産業の垣根があいまいになってきている。例えば、従来は保管のスペースを提供する「倉庫賃貸業」は不動産産業と位置づけられていた。管轄も運輸省(当時)ではなく、建設省(同)であり、「営業倉庫業」とは一線を画していた。


 けれども、運輸省と建設省が一体化され、両者の管轄が国土交通省になったことなどから、両者を融合しようという流れが出てきている。倉庫業法における営業行為なのか不動産法によるスペース貸しなのか、はっきりと区別できないケースが目につき始めたわけである。

 そして、その流れが、物流事業者、不動産事業者などが中心となって、倉庫、物流センターなどの物流施設のトータルマネジメントの商業化、すなわち「物流不動産ビジネス」に発展したのである。物流不動ビジネスとは「規制緩和の流れの中で営業倉庫業者と賃貸倉庫業者の垣根をあるときは越えながら、物流施設の情報の公開・共有化を推進するビジネス」である。物流不動産ビジネス市場が拡大してきた理由として、は3PLで物流施設のノンアセット化が加速してきたことなどがあげられる。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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