第106回:ロジスティクス最高統括者「CLO」

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第106回:ロジスティクス最高統括者「CLO」

2006年11月19日

 近年、欧米ではCLO(ロジスティクス最高統括者)が業界の注目を集めている。CLOとは「物流に関するマネジメント一般やロジスティクスの戦略立案、リーダーシップなどを大局的な視野から統括する責任者のこと」である。物流の現場の担当者ではなく、経営的な視点から物流戦略全般についての意思決定ができる執行役員クラスのポストである。


 米国では、大学院のMBA(経営学修士)コースのサブカリキュラムなどにCLOコースが置かれ、ロジスティクスやSCMのノウハウを経営学的視点から修得できるようになっている。CLOは、物流的な視点から経営戦略を構築していくうえで、重要な職位として注目されているのである。

 例えばCLOの講座では、トヨタ生産方式を徹底的に研究して生まれたといわれるパソコンメーカー、デルのBTOビルド・トゥ・オーダー(受注生産方式)や世界最大の流通業ウォルマート・ストアーズのビジネスモデルなど、ロジスティクス機軸の経営戦略を徹底的に分析し、その成功条件についての議論を活発に行う。

 欧米やシンガポールなどでは、物流改善を全社規模でのロジスティクス戦略と結びつける思考回路が必要とされ始めている。そしてその流れを受けて、欧米の大学ではそれまで「オーラルセオリー」(体系化されていない理論)としか、とらえられていなかった物流戦略、物流改善などに科学的なメスを入れ始めているのである。

 日本でも多摩大学大学院にCLOコースが開設されている。今後さまざまな企業でCLO導入の動きが強まる可能性が高いわけである。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

鈴木 邦成氏(すずき・くにのり)

鈴木邦成 物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。

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