第5回:『物流のライフライン』

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第5回:『物流のライフライン』

2007年3月22日

面白いデータを見ました。

最近の物流センターは一体誰が作っているかというものです。

2004年上期物流施設の施主は誰かという資料では、物流事業者の比率が下がり、小売業者、不動産業者の伸びが著しいというのです。

物流施設は国民のライフラインを司るということから、専門業者である物流事業者にお任せになってきました。


土地の取得も建設も専門業者の独壇場だったのが、様変わりしているというのです。

不動産業やファンド資金での物流施設建設は、倉庫業免許での事業ではなく不動産賃貸事業として、資金と収益のイールドギャップによってビジネスモデルになっています。

しかも、巨大な物流センターばかりでなく、総投資10億円程度まで各社の事業計画が細分化されてきていると、イーソーコ社では紹介しています。

土地建物合わせて10億円、つまりは延べ床面積1500坪とかというレベルの物件ですね。

物流施設、最近は物流不動産という呼称で紹介されますが、これがライフラインではなくビジネスモデルになっていることに気づくべきでしょう。

物流こそシステム思想の権化であって、作業や手順、倉庫保管や輸送を緻密に組み立てたテクニカルな技術と考えてきました。

ところが、日本の低金利事情が幸いしてか、あふれる資金が収益を求めて商業ビルやマンションだけでなく物流施設に投資されるようになってきています。

既存の倉庫業、運輸業にとっては巨大物流施設は脅威でした。

しかしこれからは積極的に不動産事業者、ファンド会社とのパートナーシップを築くことによって、中堅規模の物流不動産を開発取得できる路が開けたのです。

ライフラインであった役割は失わずに、より消費地に近づいた物流不動産でビジネスモデルを作り上げることが可能になったのです。

次回は、旧来の物流施設解体を探ります。

 

筆者紹介

イーソーコ総合研究所
主席コンサルタント 花房 陵氏

花房陵 78年慶応大学経済学部卒。85年頃より地方での新築物流センターの開発支援(運用計画立案)としてコンサル業務に従事。
物流業務問題点分析とデザインは、新たな設備投資や情報システムを必要としない業務改善手法を得意。パレート理論(商品ABC分析など)を応用し、プロセス単位のインプット、アウトプットを系列化し、最少投入での最大出力のしくみ作りを方針にしてきている。

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