第12回:『「熊」がきたら靴ひもを結ぶ』

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第12回:『「熊」がきたら靴ひもを結ぶ』

2007年3月22日

「競争とは明確なポジショニング(自社の位置づけ)」といいます。物流企業の多くが目指すべきは日通であり、ヤマト運輸であるかも知れませんが、競争途上の段階では自社と横並びの企業との差別化が競争戦略の取るべき一歩です。自社より低いポジションにある競合を叩き、徐々に自社の地位を上げていくのが競争の方法です。


近くに外資系大型物流施設が登場するからといって、いきなり競争しようとしてもムリがあります。自社の競合企業を意識、特定化して、「○社より優れた運営」によって差別化を図るのです。差別化は「気づき」に尽きます。同じ症状や環境にいる中で頭抜けていくには、「徹底して考える、見つける、探す」ということです。他社が気づかぬ隙間や事実をいかに早く、正確につかむかが重要なのです。特別な能力や多額の資金、大量の従業員ではないのです。「気づく力」があれば未来も読める、潮の流れにも乗ることができます。力は発散する外向きのパワーではなく、実は内に秘めた「穏やかさ」ともいえる内省のエネルギーなのです。

外資や大手競合企業を熊に例えるなら、皆さんはしっかりと足元を固めた運営によって、横並びや一団となっている誰よりも速く走り抜けることが必要なのです。熊は遅れた獲物に食らいつくからです。競争を恐れず、競争に打ち勝つための気づく力の発揮は、知価革命といわれる現代の象徴です。資本や技術、新しい産業の革命ではなく、皆さんの内にある状況を見る目、観る力、診るこだわりに尽きているのです。

物流は規模の経済性に左右される量の技術です。しかもトータルコストアプローチという全体最適の視点があれば、従来の車両や倉庫といった物流資産から、新たに他人資本を利用した大型物流不動産を利用した運営への転換が、これからの勝敗を分けることになるでしょう。大競争時代こそ、直視すべきは現実・現物・原則・原理なのです。

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

イーソーコ総合研究所
主席コンサルタント 花房 陵氏

花房陵 78年慶応大学経済学部卒。85年頃より地方での新築物流センターの開発支援(運用計画立案)としてコンサル業務に従事。
物流業務問題点分析とデザインは、新たな設備投資や情報システムを必要としない業務改善手法を得意。パレート理論(商品ABC分析など)を応用し、プロセス単位のインプット、アウトプットを系列化し、最少投入での最大出力のしくみ作りを方針にしてきている。

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