第91回:就業規則の周知方法

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第91回:就業規則の周知方法

2016年10月27日

 「就業規則を過去に作ったのだけど、今どこにあるのかわからない」「社長が大事に机の中にしまっている」「金庫の中に保管してある」という会社を我々はよく聞きますが、これは間違った管理の仕方で、改善が必要になってきます。


 実は、すばらしい就業規則を作っても、きちんと労働基準監督署に届け出たとしても、職場内で十分に周知されていなければ就業規則の効力は発揮されません。就業規則を労働基準監督署に届け出た後に、社長が大事に机の中にしまっていると、就業規則は効力を発揮できないのです。


 では、従業員への周知方法にはどのようなものがあるのでしょうか。


 (1)常時、見やすい場所へ提示、または備え付ける方法
 従業員の誰でも目につきやすいところに置いておく方法です。運送業の場合、事務所、配車センターの誰でも見ることができる棚に入れてあることが多いようです。


 (2)従業員に書面で交付する方法
 入社時に就業規則を書面にして従業員に配布する場合も多いようです。


 (3)会社のパソコンに就業規則データを入れる方法
 従業員がいつでもパソコン上から読み出しができるようにします。社内ネットワークでアクセスする方法を取る会社もあります。


 会社が就業規則を周知する方法はおおよそこの3パターンになります。ただし、我々は(1)の周知方法をお勧めします。それは、就業規則には社内の重要な事項が多く記載されており、外部に漏れることを防ぐ必要があるからです。


 (2)、(3)の方法では、従業員が自由に社外に持ち出すことができ、外部に漏れる可能性が高くなります。(1)の方法を採用して就業規則を社外持ち出し禁止としても、周知義務に反しているとは言えません。


 就業規則は従業員がその場で確認すれば良いものであり、特に持ち帰る必要性はないものと言えます。会社の重要な情報を守るためにも就業規則を社外秘にすることをお勧めします。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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