第82回:最低賃金について

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第82回:最低賃金について

2016年6月30日

 毎年、この時期になると経営者の頭を悩ます改定が行われます。それは、最低賃金の改定です。最低賃金は毎年秋に金額の改定が行われており、年を追うごとに上昇傾向にあります。今年も10月に最低賃金の改定が行われ、全国平均で16円ほど上昇することが決定しました。運賃は下がる一方で、最低賃金だけは上昇傾向にあり、会社にとっての負担は年々大きくなっているといえるでしょう。


 そもそも最低賃金を割ってしまうと、どうなるのでしょうか。その答えは、法律違反となり50万円以下の罰金が科せられます。さらに労基署の是正指導の対象にもなります。また、最低賃金額に達していなかった差額は労働者からの請求に応じる必要があります。時間給では数十円の差額であっても、月や年単位での請求となると相当大きな金額となることが予想されます。


 それでは、最低賃金を割っていないか実際のチェック方法を確認してみましょう。まずは、最低賃金の対象となる賃金ですが、毎月支払われる基本的な賃金のみが対象となります。ですから、時間外割増賃金や賞与などの臨時に支払われる賃金は外すことになります。また、厚労省の通達により、基本的な賃金であっても精皆勤手当や家族手当は外すことになっているので注意が必要です。


 次に、最低賃金は必ず時給で確認する必要があります。前述で算出した金額を時給に換算する作業が必要となります。日給制の場合は日給額を1日の所定労働時間で割った金額、月給制の場合は1か月平均所定労働時間を算出して、月給額をその時間で割った金額を比較します。


 全国の最低賃金は厚労省のHPから確認することが出来ます。今までは最低賃金を割っていなかったのに、ここ数年で最低賃金を割ってしまい、労基署の是正指導が行われたという会社も多くあります。特に、給与が歩合要素の強い会社は、歩合部分が少ない月には最低賃金を割る可能性があるので注意が必要です。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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