第80回:貢献度重視型の退職金制度

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第80回:貢献度重視型の退職金制度

2016年6月 2日

 前回までで、一般的な退職金算定方式(1)勤続年数連動型(2)基本給連動型(3)ポイント積み立て型――の三つについてお話してきました。それぞれ一長一短がありますが、「退職金の存在が会社の利益につながる=従業員のモチベーションアップ」という点では、「ポイント積み立て型」が最適です。しかし、運送業の場合、評価方法、運用面で高いハードルがあり、いまひとつポイント積み立て型は馴染みません。


 そこで運送業の実態に合い、従業員のモチベーションアップにつながる別の方式として「年収比例積み立て方式」をお勧めします。年収比例積み立て方式とは、毎年の年収の何パーセントかを乗じた額を積み立てていき、退職時にその積立累計を退職金として支給する方式を言います。


 例えば、年収の3%を積立額と会社が決めた場合、1年目の年収が300万円であれば、300万円×3%=9万円を積み立てます。同様に2年、3年...と毎年、年収に応じて積み立てを行っていき、退職時に仮に累計額が500万円となれば、その額を退職金として支給します。


 毎年退職金を積み立てていくので、勤続年数によって確実に退職金が増えていきます。さらに計算方法はシンプルで、事務負担も年収の管理だけになります。給与を功績と連動させていれば、功績アップが年収アップにつながり、さらに結果として退職金が増えるので従業員のモチベーションも高まります。


 会社を取り巻く世の中の価値観が大きく変化している中で、会社設立時に退職金制度を導入して以来、いまだにそのままの形で続けている会社は少なくありません。しかし、給与に個々の評価が重視される傾向が強まるなか、退職金についても従業員のモチベーションアップにつながる評価を反映する制度を検討してはいかがでしょうか。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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