第8回:雇用調整助成金の中身とは(前編)

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第8回:雇用調整助成金の中身とは(前編)

2013年8月29日

 雇用調整助成金をご存知の経営者様は多いのですが、現在、活用している会社もあれば、そうでない会社もあると思います。そこで今回は、この助成金の取得に向けた手順と内容についてお話しします。

 この助成金の対象企業は、厚生労働省のパンフレットを見ると、「景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向をさせた場合に、賃金等の一部を助成します」と記載されています。


 具体的には、直近3か月の売り上げ平均と、その前3か月の売り上げ平均を比較して5%以上減少していること。または直近3か月の売り上げ平均と、昨年の同3か月の売り上げ平均を比較して5%以上減少していることが条件となります。例えば、2・3・4月の売り上げ平均が5000万円で、11・12・1月が5500万円であれば、対象企業となります。また、この比較で基準を満たしていなければ、昨年の2・3・4月と比較して5%以上の減少基準を満たせば対象企業となります。

 ここでポイントは、直近の決算が黒字か赤字か関係ないということです。対象企業となるのであれば、私は計画申請の提出を勧めております。第1回の計画申請を提出すれば、1年間は助成金の対象企業になるからです。対象企業となれば、それ以降、売り上げが増えても問題はありません。現在、この助成金が必要でなくても、これから先で必要になれば活用できます。震災の影響で3月、4月に売り上げは落ちたが、5月以降は戻りつつあるという話も伺います。いざ活用しようと思った時に、直近の売り上げが増えていたら、対象企業にはならないのです。

 今年の夏場は、元請け企業様がどのような夏場対策を講じるのか、全くわからないという話も伺いますので、5月または6月にこの助成金対策を講じておきましょう。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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