第69回:パート社員の有給休暇

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第69回:パート社員の有給休暇

2015年12月31日

 会社に長く勤めていれば、傷病や家庭の事情など、どうしても会社を休まなければならないことがあるでしょう。そんなとき、社員は「年次有給休暇制度」を利用することができます。この制度を利用すれば会社を休んだとしても、給与は支払われます。そして、誤解されがちですが、この制度は正社員だけに付与されるものではありません。パート(アルバイト)社員にも法律上、当然に有給休暇は付与されます。この誤解が、いざパート社員から有給休暇の申請を受けた際にトラブルになってしまうのです。


 それでは、パート社員には年間何日の有給休暇を与えなければならないのでしょうか?


 会社によっては一律に正社員と同じ日数を与えているところもあるようですが、必ずしも正社員と同じ日数を与えなくてもかまいません。週30時間未満かつ5日未満の労働契約であれば、その契約に応じて正社員よりも少ない日数を付与する「比例付与」という制度が適用されます。


 例えば、週3日、1日5時間の勤務であれば、勤続半年で5日の有給休暇の付与で問題ありません。(通常勤務の正社員の場合は勤務半年で10日を付与)


 また、パート社員が有給休暇を取得した場合、いくら支払えば良いのでしょうか?


 これは、もともと該当社員と1日に何時間働いてもらう契約をしているのかによります。1日3時間であれば3時間分を支払えば良く、8時間の契約にしているのであれば当然、8時間分必要です。1日の労働時間が曖昧で本人任せにしている場合などは、会社は適正な金額を支払っていない可能性があります。


 以上のようにパート社員に有給休暇を付与する場合、パート社員との労働時間・日数がどのような契約になっているかが重要となります。契約の内容によって、付与される日数と支払われる金額が決まってくるのです。


 パート社員と付与日数、支給額でトラブルにならないように、あらかじめ週の労働日数、1日の労働時間を「雇用契約書」または「労働条件通知書」に記しておくことが必要となってきます。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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