第64回:昇給・降給について

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第64回:昇給・降給について

2015年10月22日

 給与規程に必ず記載しなければならない事項に、「昇給に関する事項」があります。ほとんどの会社は昇給については給与規程に記載がありますが、給与の改定について記載する際には他にもいくつか注意点があります。


 給与規程によく記載されている事項の一つに「定期昇給」があります。


 毎年、一定の時期に年齢や勤続年数などで賃金をアップしていくことを定期昇給といいますが、今のご時世、常に賃金がアップし続ける定期昇給は現実的ではありません。給与規程で定期昇給を制度化しているけれど、ここ数年業績不振で行っていないという会社もあるのではないでしょうか。給与規程に記載している定期昇給を行っていないと、社員とのトラブルの原因にもなります。現実に合わせるためにも、廃止も含めた見直しを検討してはいかがでしょうか。


 また、昇給については記載しているけれど、一方で給与を下げる「降給」については給与規程に記載していないという会社も多くあります。


 そもそも給与規程に降給について定めがなければ、給与を下げることができないという事態に成りかねないのです。現在の景気動向では将来の給与を保証したくても、保証できる会社は少ないのではないでしょうか。そのため、昇給の可能性とともに、降給の可能性についても必ず記載するべきなのです。


 降給は従業員にとっては大きな問題となり、関心の高い事項になります。降給を行う可能性があることを給与規程に記載するときは、どのような場合に降給を行うかも明確に規定しましょう。懲戒処分としての降給を行うのとは別に、職務能力、勤務態度などの人事評価、会社の業績などと連動した合理的な理由のある降給であることを給与規程に示す必要があります。


(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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