第57回:就業規則整備の必要性

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第57回:就業規則整備の必要性

2015年7月16日

 現在、弊社は約1200社のクライアントの就業規則作成や労務相談に携わってきました。今般、この経験を生かし、基本的な内容を整理した「就業規則の作り方」を発刊することとなりました。つきましては特に就業規則作成の重要ポイントや陥りやすい誤解などについて、お話を進めてまいります。


 そもそも、就業規則はなぜ必要なのでしょうか。近年、労使関係をめぐる環境は激変しており、労働者の権利意識が強く、未払い残業代や退職をめぐって会社と争うケースが増えています。また、社員がうつ病などのメンタルヘルス不全を患うケースも急増していますが、会社がそれらの問題に対して十分対応できていない例も目立ちます。このような労使トラブルを未然に防ぎ、仮にトラブルが起きたとしても速やかに解決するために、就業規則が必要となってくるのです。

 しかし、いざ就業規則を整備しようとしても、どうすればよいのかわからない社長がほとんどでしょう。生半可な知識で就業規則を作成すると、大きな危険がともなってしまいます。

 例えば、労基署などが提案する就業規則モデルやインターネット上で出回る就業規則サンプルをそのまま使ったり、自己流でアレンジしたりすると、かえって会社を不利な立場に追い込んでしまうことがあります。このような就業規則は、中小企業を守る視点で作成されているわけではないからです。

 一方で、十分な知識のもとに、一語一句を吟味して作成した就業規則は、トラブルが発生したときに強力な武器になります。就業規則を整備することによって、会社が守られ、結果的に会社で働く大切な社員の生活を守ることができるのです。

 次回からは、書籍の中から具体的な就業規則の作成ポイントについてお話を進めてまいります。

(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄)

※本記事はこれまでに「物流ウィークリー」本紙に掲載したものです。内容は記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
 

筆者紹介

保険サービスシステム株式会社
馬場 栄氏

馬場栄

保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士


年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。

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